ヒヤリハット報告書の書き方と例文|介護・工場ですぐ使える5つの項目
ヒヤリハット報告書は、「場面・起きかけたこと・気づいたきっかけ・考えられる要因・再発防止策」の5つを埋めれば書けます。介護と工場の例文、よくない例とよい例、書くのがつらくならないコツをまとめました。
ヒヤリハットとは
事故にはならなかったけれど、「ヒヤリ」とした、「ハッ」とした出来事のことです。たとえば「別の方の食事を出しかけた」「フォークリフトが人に近づいた」などです。
よく知られている「ハインリッヒの法則」では、1件の大きな事故の裏には、29件の小さな事故と、300件のヒヤリハットがあると言われています。ヒヤリハットのうちに書き残して手を打てば、大きな事故を防ぐ手がかりになります。
大事なのは、だれかを責めるための紙ではないということです。同じことが起きない仕組みを作るために書きます。
書く項目は5つ
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 1. 場面 | いつ・どこで・何をしていたとき |
| 2. 起きかけたこと | 何が起きそうになったか(見たこと・起きたことをそのまま) |
| 3. 気づいたきっかけ | 何で気づいて、どう止まったか |
| 4. 考えられる要因 | なぜ起きかけたか。人・手順・環境・道具の面から |
| 5. 再発防止策 | 次から何を変えるか。だれでもできる具体的なこと |
職場で決まった様式があれば、そちらに合わせてください。どの様式でも、この5つが入っていればまず困りません。
例文:介護
配膳ミスしそうになった。今後気をつけます。
1.場面 夕食の配膳のとき 2.起きかけたこと Aさんのきざみ食を、常食のBさんに出しかけた 3.気づいたきっかけ Bさんの前に置く前に、食札を見て気づいた 4.考えられる要因 食札の確認よりも、配膳の動作を先にしてしまった 5.再発防止策 配膳前に、食札と名前を声に出して確認する
例文:工場
フォークでぶつかりそうになった。注意する。
1.場所・作業 出荷場 フォークリフトで積み込み中 2.起きかけたこと バックしたとき、後ろを歩いていた人に1mくらいまで近づいた 3.気づいたきっかけ 歩いていた本人が声をかけてくれて止まった 4.考えられる要因 バックするときの後ろの確認が足りなかった(手順) フォークリフトと人の通り道が重なっていた(環境) 5.再発防止策 通路に歩行帯の線を引く バックの前に一度止まって、後ろを目で確かめる
書くときの4つのコツ
① 見たことと、思ったことを分ける
「〜していた」は見たこと、「〜だと思う」は考えたことです。要因のところは推測になるので、「〜と考えられる」「〜の可能性」と書くと読み手が迷いません。
② 「不注意」で終わらせない
「不注意だった」「気をつける」だけでは、次の人は何も変えられません。手順・場所・道具・時間帯のどれが関わっていたかを書くと、仕組みで防ぐ案が出やすくなります。
③ 数字で書く
「近くまで」より「1mくらい」、「夕方」より「17時ごろ」。数字があると、読んだ人が同じ場面を思い浮かべられます。
④ その場で短くメモ、清書はあとで
時間がたつと細かいことを忘れます。その場では「夕食 配膳 きざみ食をBさんに出しかけ 食札で気づく」くらいの短いメモで十分です。清書はあとでまとめて行えば大丈夫です。
よくある質問
- ヒヤリハットと事故報告書の違いは?
- けがや物の壊れなど、実際に被害が出たかどうかで分けるのが一般的です。被害が出なかったものはヒヤリハット、出たものは事故報告書に書きます。分け方は職場の決まりに合わせてください。
- 書いたら責められませんか?
- ヒヤリハットは、同じことを防ぐために集めるものです。「書いた人を責めない」と職場で先に決めておくと、報告が集まりやすくなります。
- 毎回書くのが大変です。
- その場では短いメモだけ残し、清書はあとでまとめて行う方法がおすすめです。短いメモから下書きを作る道具を使うのも一つの手です。
短いメモから、この5項目の形に
てますいは、場面や起きかけたことを短く入れるだけで、ヒヤリハット報告書の下書きを数秒で作ります。🎤で話して入れることもできます。
実際の例
場面:夕食の配膳のとき 何が起きかけたか:Aさんのきざみ食を 常食のBさんに出しかけた 気づいたきっかけ:Bさんの前に置く前に 食札を見て気づいた 再発防止の案:配膳前に 食札と名前を声に出して確認
1.場面 夕食の配膳のとき 2.起きかけたこと Aさんのきざみ食を常食のBさんに出しかけた 3.気づいたきっかけ Bさんの前に置く前に食札を見て気づいた 4.考えられる要因 (案)食札の確認よりも配膳の動作を優先してしまったこと (案)利用者名と食事形態の確認が不十分であったこと 5.再発防止策 (案)配膳前に食札と名前を声に出して確認する (案)配膳カートの前で再度、食札と利用者の名前、食事形態を突合する
※ 入力も名前もすべて架空です。てますいで実際に作った下書きをそのまま載せています(毎回少し言い回しが変わります)。
入力に無いことは「(案)」と付けて書きます。最後の判断は職員さんが行ってください。